ずうずう弁講座

県外から郡山に移転される方への予備知識として、郡山地区の方言集を掲載しました。引っ越し当初は「ずうずう弁」に驚かれる方も、かなりいらっしゃるようです。
でも本当は心やさしい言葉なのかも。

「ずうずう弁」と言うけれど、“ばい”は郡山だけの表現。

「そだばい」「そうだばい」

 同じ福島県の中でも、語尾に「ばい」が付くのは、不思議なことに郡山周辺の地域だけです。これが福島市周辺では「んだべ」「んだべした」になります。標準語にすると「そうではありませんか」「そうでしょう」に当たる言葉なのですが、「ばい」には同意を求める感じがあるのに対して、「だべ」には断定的な響きがあるような気がします。
いかがですか?

「あがらんしょ」

 引っ越しの挨拶に伺ったりすると、突然「あがらんしょ」これは「どうぞ、お上がりください」という意味。ところが上がってみると、また「あがらんしょ」。今度の「あがらんしょ」は「どうぞ、お召し上がりください」の意味。おそらく、お茶や漬け物が差し出されているはずです。「あがらんしょ」は歓迎の言葉であり、もてなしのことばでもあります。

「さすけねえ」

 ちょっと失敗してお詫びに行くことがあるかも知れません。でも、郡山では「さすけねえ」。「さしつかえない」「大事ではないから、気にするな!」という意味です。また風邪などを引いて病院に行き、帰ってくると、「さすけなかったがい」という言葉も耳にします。
これは「どうでしたか、大丈夫でしたか」の意味です。

「こっつぁがねえ」

 ダジャレなどには、こう対処されることもあるでしょう。「こっつぁがねえ」は、「つまらない」「くだらない」という意味です。たとえば、悩みを打ち明けたりします。すると「こっつぁがねえ」、これは「小さなことで、くよくよするな」という意味になります。
おおらかな郡山人の言葉のひとつです。

「ごせやく」

 たぶん、相手はご立腹。「ごせっぱらやける」も同じ意味でいらいらしている状況です。単に腹が立っているのではなくて、ストレスがたまりにたまっていますので、この信号には要注意、でも、話を聞いてあげればすぐにおさまるのも郡山人。
真の相談相手になれるチャンスかもしれません。

「こじくれる」

 ごちゃごちゃと問題が入り組んでいて、なかなか解決策が導きだせない。このように「うまくいかない」「うまく解決しない」状況が「こじくれる」です。これを上記の「ごせやく」と組み合わせると
「そだごどこじくっち、おらわがんね。ごせやくない」になります。

「がおる」

 病気、疲労困憊、あるいは体力の限界をさす言葉で、「もう駄目、がおった」などと使います。運動会に飛び入り参加したお隣のお父さんが「がおった」と戻ってきたら、相当に疲れている証拠ですから、水を差し出すなどしてねぎらってあげてください。

「あやまった」

 謝っているわけではありません。この「あやまった」は手をやいている状態で、「困った」「参った」と同じ意味です。「あやまった」とお宅を訪ねてきたら、 相談ごとがある証拠。
お話を聞いてあげてください。

郡山駅の「ずうずう弁」

 郡山市の食品会社「福豆屋」さんが販売している駅弁の名称が「ずうずう弁」。そのユニークなネーミングから、かつての高視聴率番組「クイズダービー」にも問題として出題されました。(以下、調査中)